20年程前の話ですが、私の弟が大学生の時にバイクを購入し、初めての旅行に下北半島一周を計画しました。山形を出発し風間浦、大間を通過し佐井村にさしかかった時のことです。当時の道路は砂利道ででこぼこだったということでしたが、突然パンクをしてしまい走れなくなってしまいました。
最初の部落までバイクを引いて来て村の人に、バイクか自転車のお店が無いか尋ねたのですが、村には無いとの返事でした。途方に暮れているとある村人が小学校の教頭先生がパンク修理が出来るよと言って小学校の分校に案内してくれました。
行った時教頭先生は授業中でしたが、弟はづうづうしく教室のドアを叩き、教頭先生に事情を話しパンク修理をお願いしました。その時なんと教頭先生は授業を中断してパンク修理に取りかかってくれたのです。生徒はどうしていたかというとグランドでパンク修理する教頭先生を取り囲んで、パンク修理の模様を見ていたのです。完成後弟は修理代金を払おうとしましたが、受け取ってもらえずお礼だけ言って山形に帰ってきました。
帰ってから礼状とクラス全員分のボールペンを送ったところ今度は全生徒からお礼の手紙が届きました。弟の始めてのバイクの旅行はすばらしい人々とのふれあいで思い出に残る旅行となりました。私は昨年青森に転勤したため、すぐに佐井村をおとづれ20年前の感動を思い起こして来ました。
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